我が子を明るく健やかに育てるために(抜粋)

~少年非行防止のしおり Part40~  山梨県警察本部

18 少年の環境浄化

 少年非行の増加は、少年を取り巻く社会環境の悪化と深い関わり合いがあります。
 少年をを健全に育成するためには、良い環境づくりが必要です。そのためには、地域の方々の総ぐるみによる環境浄化活動を推進することが求められます。
 営利追求のために有害な環境をつくり出す大人社会の責任は非常に重いと言わざるを得ません。

◎好ましくない環境
 〇いかがわしいポスターや広告等
 〇いかがらしい雑誌やビデオを収納し販売している自動販売機
 〇喫煙・飲酒を助長し少年の溜まり場化しているカラオケボックス等
 〇少年の射幸心をそそり、溜まり場化しているゲームセンター等
 〇少年の性的感情を刺激したり、残虐性を助長するおそれのある雑誌、ビデオ、映画、パソコンソフト等の有害メディア
 〇少年たちに好奇心を抱かせ、甘い罠を仕掛けてくる有害サイト

◎ネット・携帯電話
 パソコンや携帯電話等から利用できるインターネットは、有用で便利なコミュニケーション手段として、少年たちにも広く浸透しています。一方、パソコンや携帯電話等がつながっているサイバー空間上には心身が未発達な少年が閲覧するには望ましくないと考えられる有害情報が数多く流通しています。
 サイバー空間は匿名性が強いので、何をやっても許されるという誤った風潮が蔓延しがちです。そして、そのような悪しき雰囲気に流されて規範意識を低下させ、安易な気持ちでわいせつ図画や児童ポルノの作成・頒布、知的財産権侵害、インターネット利用詐欺、名誉毀損等の犯罪が行われています。また、スマートフォン等からSNS等を利用して性犯罪被害に巻き込まれる少年が後を絶ちません。実社会において常識となっている倫理・道徳の自然な延長として、サイバー空間における倫理・道徳を設定することは極めて困難となっています。

◎携帯電話等を持たせる時には
 従来型携帯電話やスマートフォンは通話だけでなく、メールやサイト閲覧といったインターネット機能、クレジット機能、GPS機能等さまざまな機能があります。
 携帯電話はとても便利な道具ですが、使い方を誤ると大変危険です。特に身近な大人である保護者が、モラルについてしっかりと教えなくてはいけません。この関わりが薄いと、子どもがサイバー空間の中で危険に巻き込まれてしまいます。
 そこで、携帯電話等を持たせる時には、親としての考えを示し、子どもと使い方についてよく話し合い、利用する時のルールを決めることが大切です。
<従来型携帯電話・スマートフォンの利用ルール(例)>
 〇使用時間を決める。
 ・食事中や深夜、学習時間は電源を切る
 〇利用限度額を決める。
 ・支払料金を親に負担してもらっている事を自覚して無駄な使い方をしない。
 〇使用場所を決める。
 ・大人がいる部屋で使わせ、子ども部屋には持ち込ませない。
 〇アクセス権限について決める。
 ・必要でない、また怪しい有料サイトへのアクセスはしない。
 〇情報発信について決める。
 ・チェーンメールは送らない。
 ・自分や友達の個人情報を教えない。
 ・掲示板やチャットに悪口を書き込まない。またむやみに反論したりしない。
 ・GPS機能の扱いに十分注意する

◎インターネット利用時の注意点
 サイバー空間では、お互いに相手が見えないので、警戒心も薄くなり、甘い言葉や目先の有益な情報に騙され、犯罪被害に遭ってしまう危険性が高まります。このようなことに巻き込まれないためにも、子どもが自分で判断し、危険を回避できるように日頃からインターネットの危険性について話をしておくことが大切です。
 〇個人情報(氏名、住所、電話番号、学校名、顔写真、口座番号など)を安易に教えない。
 〇ユーザーIDやパスワードは友達や他人に教えない。
 〇他人のふりをしてメールや掲示板に書き込みをしたり、他人のユーザーIDやパスワードを不正使用しない。

◎有害情報を未然に防ぐ
 本人に有害サイトへアクセスする意思がなくても、従来型携帯電話やスマートフォンがインターネット端末である限り、有害な情報は次々にやってきます。
 フィルタリングサービス(アクセス制限サービス)と迷惑メールの受信拒否設定を組み合わせて利用し、有害サイトへのアクセスを断つことが必要です。
 〇フィルタリングサービス導入の徹底
 平成21年4月1日より、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が施行されました。この法律では、次のことを基本としてインターネット関係事業者に義務などを課しています。さらに保護者やインターネット利用者たちにも、子どもたちを有害情報から守るように取組を求めています。
 1.青少年に対して、インターネットを安全で適切に活用できるための能力を身につけさせること。
 2.フィルタリングを活用するなど、青少年が有害情報にアクセスを閲覧してしまうような機会を最上限にすること。
 3.インターネット関連の事業者やサーバーの管理者など、民間の関係者の取組を政府が支援すること。
 〇保護者は次のことを心がけてください。
 1.子どもが使う可能性のある家庭のパソコンや携帯電話等にフィルタリングサービスやソフトなどを活用すること。
 2.携帯電話やPHS、スマートフォンを18歳未満の子どもに使用させるために購入する場合は、保護者から携帯電話事業者に「18歳未満の子どもに使用させるためにフィルタリングサービスに加入する」と伝える。
 3.スマートフォンをWi-Fi接続して使用する場合は、保護者の責任で別途Wi-Fiに対応したフィルタリングサービスに加入する。

 フィルタリングサービスに加入すると、有害サイトへのアクセスを防ぐことができ、「出会い系サイト」や「ID交換掲示板」の被害や「迷惑メール」から発展する「架空請求詐欺」の被害等を防ぐことができます。

 〇迷惑メールの受信拒否設定
 パソコンや携帯電話では、受信拒否設定をすることにより、有害情報メールを拒否できます。個人情報取得や架空請求メール、出会い系サイトやアダルトサイトへの勧誘メールも届かなくなるので、子どもたちがインターネット上の不適切な情報に触れる機会を減らす有効な手段と言えます。
 〇「出会い系サイト規制法」について
 出会い系サイトとは、インターネット上で異性との交際を求める人の情報サイトです。このサイトを利用することにより、子どもが知らない人の甘い誘いに乗って、呼び出しに応じた結果、誘拐、監禁、性的被害に遭うという事件が起きています。そこで、「出会い系サイト規制法」は、出会い系サイトの利用に起因する児童売春その他の犯罪から児童を保護し、もって児童の健全な育成に資することを目的としています。この規制法により、18歳未満の出会い系サイトの利用や金品目的の交際を求める「不正交際誘引」も禁止されており、違反者は処罰対象となります。また、平成20年12月1日に施行された改正法では、金品目的の表現がなくても、異性を誘う書き込みをすることも「禁止誘引行為」として禁止されました。また、事業者側にこのような書き込みを削除することが義務づけられました。
 〇出会い系サイトの危険性
  「出会い系サイト規制法」が改正され、出会い系サイトに起因する犯罪被害が減少する一方、非出会い系サイトに起因する犯罪被害が大幅に増加しています。
  出会い系サイトとは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)や自己紹介サイトなどのコミュニティーサイトのことで、これらのサイト内で児童から巧みに個人情報を引き出し、またはIDを交換したことで青少年保護育成条例違反や児童売春、児童ポルノ等にかかわる被害に遭っています。
 フィルタリングサービス利用だけでは防げないこともあります。子どもたちのネット利用により一層関心を持ち、安全で安心できる環境づくりが大切です。

わが子を明るく健やかに育てるために(抜粋)

~少年非行防止のしおり Part40~  山梨県警察本部

13 いじめ
 いじめはもともと潜在化しやすい問題ですので発見しにくいのですが、最近は、暴力、恐かつなど犯罪に近いいじめが多くなってきているのが特徴です。
 また、インターネットを利用したいじめにも注意する必要があります。

◎いじめの種類
 〇一人を集団で取り囲み、殴る蹴るの暴力をふるう。
 〇気に入らない者同士を集団で囲み、中で戦わせて面白がる。
 〇持ち物を隠したり、壊したりする。
 〇集団で徹底して無視する。
 〇身体的特徴などをとらえて、みんなの前でしつこくののしる。
 〇金や品物を持ってくるよう強要する。
 〇インターネットを介して、悪口や誹謗・中傷を送信する。
 この他、身体的又は精神的に苦痛を与える等いじめは多種多様にわたっています。

◎いじめの特徴
 〇一般化・・・・どんな子も被害者にも加害者にもなる可能性がある。
 〇ゲーム化・・・遊び化し、さほど罪悪感を持たない。
 〇徹底化・・・・制止する者がいないため、残忍・陰湿化しやすい。
 〇潜在化・・・・いじめられている方もなかなか言わないのでいじめが見えにくい。
 〇集団化・・・・みんなで一人の子をいじめ、責任回避に走る。

◎こんなサインがでたら要注意
<家庭でのサイン>
 〇性格が暗くなり、口数が少なくなる。
 〇家庭から品物やお金を持ち出す。
 〇よく物がなくなる。
 〇衣服が汚れていたり、けがをしていることがある。
 〇学校に行きたくないと言いだす。
 〇登校時間になると突然熱が出たり、体の具合が悪くなる。
 〇学校を早退してくる。
 〇外で遊ぶのをいやがり、部屋にとじこもって考えごとをしている。
<学校でのサイン>
 〇職員室のまわりをウロウロする。
 〇一人ぽつんとしている。
 〇机や椅子が壊される。
 〇所持品や机などに落書きされる。
 〇何か事件が起こるとその子のせいにされる。
 〇失敗すると大きな声で笑われる。
 〇正しい意見なのに支持されず、やじがとんだりする。
 〇無断で遅刻や早退をする。

◎家庭での対応
 〇子どもの生活態度をよく見てください。何か異変に気付いたときはいじめを心配してください。
 〇何でも話し合える雰囲気づくりに努めて下さい。子どもの相談相手になり、解決の方途を一緒にさがして下さい。
 〇日ごろから善悪のけじめをつけ、人をいたわる優しい心を育てて下さい。
 〇いじめを知ったら早いうちに関係機関と相談し、芽のうちに摘みとることが加・被害者ともに禍根のない青春を送れることになります。
 〇親は、子どもを多面的に評価するよう心がけ、個性・特性を伸ばし、人それぞれが持つ様々な良さを見出してやることが大切です。
 〇子どもにとって、親はとにかく頼りになる存在でなくてはなりません。

◎被害者や周囲がいじめを語りたがらない
 〇いじめられていることはなかなか言わない。家庭や両親の前では弱い子ではなく、明るく良い子でいたいから。
 〇いじめられっ子ではないという少年特有の自尊心が大きいため、周囲に相談しない。
 〇周囲に話しても解決できないと諦めている。
 〇いじめる子から強引に万引き等をさせられても自分がやったと言い切る。仕返しがこわい。
 〇自分がいじめの加害者に立候補することによって、それ以後のいじめから逃れ、逆にいじめる側に回ることもある。
  処世術である。だからいじめをとがめられても、「俺たちは遊んでいるだけだよ。」と言って逃れてしまう。
 〇「私は今の仲間が好きだ。好きで入っている。」と言い切る。
 〇集団の裏切り者、密告者と見なされ、集団から切り捨てられ、今度は自分が集団から無視されることへの恐ろしさがある。
 〇自分がいじめられていないから、たいしたことも思わず、辛さも理解していない。

 最近、いじめが少年たちの生活に溶け込んでしまっていて、ますます外から見えにくくなってきています。いじめが増加しているということは、少年たちのストレスが高まっているということでしょうか。